九月号 |
十三日太宰忌 悪い父でしたと語り桜桃忌 六月二十一日瑞祥園 みちのくや梅雨入の炉をホと焚いて 縁側にちよと端居して祖父のこと 庭師 麦茶汲む一人は秋田より来たり 松は芯立て瀧石は凸凹と 庭涼しこれぞ大石武学流 美容院ラレエヌ新開店 カーラーを頭いつぱい薔薇紅く 「ラレエヌ」向ひ居酒屋「川崎」 美容院出てまつすぐにどじやう鍋 泥鰌鍋つつくや津軽連衆と 亡き父が地獄鍋とぞどじやう鍋 虫にやられ病ひにやられ薔薇ひらく 歩く径のこしてあとはぜんぶ薔薇 母はもう取らぬ実梅や吾がひろふ |